4kaku design

マーケティングを勉強しているWebデザイナーのノート


松原幸行さん(@hmatsubara)を講師にお迎えしたHCD-Net(人間中心設計推進機構)主催のUXDセミナーに参加しました。

「通常のデザインにどう感性価値を盛り込むか?」をテーマにした講義とワークショップの二部構成で約4時間強のセミナーでしたが、講義で紹介されたメソッドがワークショップでさっそく実践できるという構成に感動していました。とても濃い内容だったので、個人的に刺さったところと考えたことをメインにまとめます。

全体の感想

ワークショップ込みで本格的にUXDを取り上げたセミナーに参加するのは初めてでしたが、私のようなビギナーから実務で実践している方までカバーできる内容だと感じました。実際、質疑応答では講師の方と質問者さんの間で議論が白熱したりと、少人数ならではのライブ感溢れるセミナーでした。

講師の松原さんはプロダクトデザイン畑の方でしたが、プロダクトに偏りすぎることもなく、サービスとデザイン全体に言及していらっしゃいました。UXデザインの奥深さは窺い知れたので、あとはこれを制作に活かせるよう咀嚼してみます。

講義:感性価値とサービスデザイン

なぜ、感性価値が必要なのか

モノが満ちている現代においては、消費者もある程度の欲望は満たされているので「どうしてもこういうモノが欲しい!」というケースはあまりありません。
それに対して、モノの作り手であるメーカーの方でも製品に特徴が出しづらくなっていきます。これを「商品のコモディティー化」といいます。

そんな時代に『ユーザー(の心)に刺さる』モノを作るために、製品に感性価値を付与することが欠かせなくなってきました。
今回学んだのは「刺さるものを作るためのアプローチについて」です。

感性価値を生み出す3つの視点

  • 記号表現とデザインからの視点
  • 情報の視点
  • 精神学からの視点

この記事では、「記号表現とデザインからの視点」を取り上げます。

『共示性』に訴えることで共感が生まれる

一輪の赤いバラがある。
見たままの記号(表示義)では「赤色のバラ科の植物」である。
しかし、愛し合う二人の間なら「赤色のバラ科の植物」という表示義に「愛」というコンテンツが加わる。このコンテンツは二人の関係において成り立っている。
これが、表示義に意味情報を加えた「共示義」である。

赤いバラは定番ですが、家族やカップルなら思い出の品・場所に置き換えられそうです。

こうした関係性によって成り立つ共示性に訴えることで共感が生まれる=感性表現になりやすい、とのことです。

どうすればデザインは共感を生めるのか

共感が生まれる鍵は「自己肯定感につながる心理的萌芽」だそうですが、具体的には以下のような状態だそうです。

  • 正しいモノを選んだ!という自信
  • 自分のライフスタイルにぴったりなモノを発見した!という満足

たしかに、見つけた自分を褒めてやりたくなるようなモノとの出会いはありますよね。
個人的には、古書店のカオスな棚からずっと探していた絶版漫画を発見したときや、部屋に誂えたようにピッタリなラックをみつけたときをイメージしたらしっくりきました。

ユーザーがモノを見た(使った)ときに、ありのままの情報だけでなく、自分の内面で新たな意味を見いだせるモノが「感性価値を持つモノ」だそうです。

他にも、キッチンのリフォームを例に、ショールームの見学・販売員による解説・使用感・アフターサービスなどのユーザーとモノ(サービス)とのすべての接点を感性豊かにデザインすることで、連続性を持たせてより深い感動を生んだケースなどを実例を交えてお話いただきました。

まとめ

作り手が完璧にユーザーの感動をコントロールすることはできないが、感動のきっかけを仕掛けることはできる。

感性の磨き方

これも個人的にとても刺さったレクチャーだったので、まとめておきます。
後のワークショップで、ここで挙げられた方法が実践できてしまう作りは感動でした。

以下は講義の中で挙げられた、松原先生おすすめの感性の磨き方です。

  • ポッセ(同じ志向を持つ仲間)を組んで、使い倒しの日帰り合宿をする
  • 芸術作品、建築物など本物を見る
  • 異分野・異文化の人と交流する

ワークショップ:輪ゴムの新たな使い方

「アイディア出し・展開を通じて、感性価値の込め方を体感する」を目標に、3人1チームに分かれて輪ゴムの新しい使い方・商品提案の課題に取り組みました。

アイディア出しの流れは以下の通りでしたが、仮装インサイトについてはやってことがなかったので新鮮な体験でした。自分の欲望を垂れ流すのはなかなか勇気が要るので、ここはチーム運が良かったことも大きいかもしれません。

  • 動詞展開(輪ゴムに関わるアクションを羅列してみる)
  • 形容変容(実際に輪ゴムを触りながら可能性を探る)
  • 仮想インサイトの設定(自分の内心にある○○したい!を挙げる)

こんな感じで自分の中で煮詰めたものをチーム内で共有していくわけですが、今回はまったく畑違いの女性の先輩と組めたのですでにここで「異分野の人と交流する」が達成できてしまいました。
それでも、分野は違えど日頃の生活で感動したことや原風景などで通じる部分も多く、ある種の「ポッセ」だったのかもしれません。

女性チームならではの「女子の萌え」を詰め込んだユニークなアウトプットができました。

学んだことを活かすためにやりたいこと

人間中心設計という考え方に触れること自体が初めてだったので、もう少し掘り下げて勉強してみようと思います。
個人的には、SF小説と映画が大好きなのでSF SIGがものすごく気になっています。