4kaku design

マーケティングを勉強しているWebデザイナーのノート

Photoshop CC 2014 の新機能「焦点領域の選択」を使った写真の切り抜き方法

先日発表されたPhotoshop CC 2014 の新機能「焦点領域の選択」を使って、スピーディーに写真を切り抜く方法をご紹介します。

記事後半では、6月17日に開催されたフォトレタッチャー吉田聖未さんの講座「Photoshopでプロフィール写真を加工してみよう!」で紹介された今すぐ使える人物写真補正テクニックにも少しだけ触れていきます。


「画像の焦点領域の選択」機能の使い方


機能について

「画像の焦点領域の選択」とは、6月19日に発表されたAdobe Photoshop CC 2014 に搭載された新機能です。写真の焦点を自動で読み取り、該当するピクセルだけを切り取ることができます。
画像の焦点領域の選択 | Photoshop ヘルプ | 新機能のサマリ

他にも色々と新機能や変更点はありましたが、恥ずかしながらスマートオブジェクトはほとんど使ったことがないので一番ありがたみを感じたのが焦点領域選択でした。Typekitフォントが使えるのはWebフォントを使うデザインに役立ちそう。


「画像の焦点領域の選択」機能を使って写真を切り抜く


加工前の写真

元の写真

はじめに、焦点領域選択機能を使って画像を切り抜く方法をご紹介します。さすがにこの機能だけではそのまま合成や製品写真に使えるような画像はできないので、切り抜いたあとの補正についてはのちほど触れます。

作業の元画像として、ガラスのモニュメントの写真を用意しました。2013年に小樽で撮影したものです。クリックすると大きい画像が表示されます。


1. 自動で焦点範囲を選択する


自動選択で切り抜いた画像

この時点でかなり正確に切り取れていますが、ガラスビーズの右下部分が白く抜けてしまっています。

メニューバーの「選択範囲」>「焦点距離...」から機能を利用することができます。初期状態では焦点距離のパラメーター値は自動で算出されます。数値をいじってみましたが、自動が一番無難な結果が得られました。もちろんこのままでは選択範囲の境目のクオリティーが残念すぎるので、選択範囲の編集をしていきます。



選択範囲>焦点距離... から機能を使う

選択範囲>焦点距離... から機能を使う

初期画面

初期画面


2. 焦点領域加算・減算ツールで調整する


選択領域修正後の画像

焦点領域加算・減算ツールを使って、自動選択された範囲を修正していきます。ガラスビーズの白く抜けてしまっている部分が直りました。

加算ツールでは選択範囲に加えたい部分(ガラスの白抜けしている箇所)を、減算ツールでは選択範囲から取り除きたい部分(枝に巻きつけた針金の隙間)を修正できます。ブラシツールと同じ動きをしますが、ブラシでなぞるというよりはトントン叩いていく方がスムーズに選びたいところを選択できたように思います。プレビューモードはオーバーレイを使いました。



今回触った項目

今回触った項目

領域はうまく選択できましたが境目がギザギザしているので、「エッジにぼかし」のチェックボックスにチェックを入れました。これで多少は自然なエッジに。


3. 出力先を指定する


選択した領域は次の作業で使いやすいように書き出すことができます。選べるモードは以下の6つ。今回はレイヤーマスクを使いました。

  • 選択範囲
  • レイヤーマスク
  • 新規レイヤー
  • 新規レイヤー(レイヤーマスクあり)
  • 新規ドキュメント
  • 新規ドキュメント(レイヤーマスクあり)

「画像の焦点領域の選択」機能で人物を切り抜く


前述の例ではエッジのかっちりしたものを切り抜きました。しかし、実際の業務に場合は複雑なかたちを抜くことの方が多いと思います。

そこで、ここからは人物の切り抜きに挑戦します。今回はSNS用プロフィール画像を作るという宿題なので、(自分の顔を見ながらの作業は結構つらいんですが)今井本人の写真を使用します。ちなみに、吉田さんのレクチャーを参考にして事前にトーンや肌周りは加工済みです。トーンカーブが使えるようになるとコントラストから色味まで一括で触れて便利ですね。


切り抜き前

切り抜き前

切り抜き後

切り抜き後

焦点領域選択と境界線の調整だけでここまで切り抜けました。しかし、まだ毛先まわりに背景色が残っています。とくに画面右側の髪は背景が真っ黒なテレビだったので、髪との明度の差がほとんどなくちょっと見栄えがよくないですね。


毛先を綺麗に抜き出す


まずは背景の色が比較的明るい画面左側の髪周りを修正します。


加工前

毛先を別レイヤーに

トーンカーブでハイライト

「比較(暗)」で重ねる



トーンカーブとレイヤーの設定

このテクニックはPhotoshop使いの魔女こと吉田さんの教えていただきました。黒髪ならこれでばっちりです。

  1. レイヤーマスクを適用する前の画像から、毛先だけをなげなわツールなどで選択して別レイヤーを作る
  2. クリッピングマスクを使い、毛先レイヤーにだけ「トーンカーブ」でハイライトを強く(髪の黒色のみ抽出)
  3. 背景を大まかに消しゴムツールで消す
  4. 毛先レイヤーをレイヤーモード「比較(暗)」で重ねる
  5. 下にある元レイヤーの毛先部分をマスクで隠せばより自然な仕上がりに!


右側の髪は背景色が黒に近いため、トーンカーブで抽出するのが難しいです。結局レイヤーマスクをブラシツールでゴリゴリ描きました。

描画色と背景色を白(#FFFFFF)と黒(#000000)にして、shift + x で切り替えながら作業すると左手はキーボード、右手はペンタブレットのまま固定で作業できるのでスピーディーです。


完成形はこんな感じになりました


これで切り抜きができました。

人物写真を切り抜くときに一番困るであろう髪の毛の処理を行いました。逆に言えば、それ以外は焦点領域選択機能だけで十分切り抜けています。ここまでの所要時間はざっと30分でした。


せっかく切り抜いたので加工をしてみよう!


「Photoshopで人物の顔をゾンビ風に変身!」を参考に加工した画像

ゾンビになってみました

せっかく頑張って切り抜いたので、前からやってみたかったPhotoshopで人物の顔をゾンビ風に変身!に挑戦してみました!なかなか心臓に悪い仕上がりなので、ホラーがお得意でない方はご注意ください。クリックするとモーダルウィンドウで拡大表示できます。

(大変楽しく加工したのは事実ですが)色の濃い背景画像との合成サンプルとして載せています。これくらい極端な加工にも耐えうる切り抜きができるよ!と思っていただければ幸いです。


焦点領域選択機能の使いどころ


ピントの合った商品や人物の写真なら、焦点領域選択機能だけで十分に作業のベースが作れてしまいました。作業時間の短縮にはぴったりのツールだと思います。

弱点としては、風景写真などの広い範囲にピントを合わせたものには向いていないようです。従来のパスや自動選択ツールとの使い分けが必要です。